あさblog

気になることや日記のブログです。

内密出産の問題点は?   ガイドライン公表で「出自を知る権利」は守られる?

 

内密出産について、

賛否いろいろな意見がありますが、

どのような問題点があるのでしょうか?

 

内密出産とは、

「妊娠中の女性が医療機関に身元を明かさずに

出産を行い、名前等を書いた書類に封をし、

行政機関に預け(匿名での出産)、

赤ちゃんは子どもを望む夫婦と特別養子縁組をする」

という、望まない妊娠をした女性を保護するための制度

 

この記事では、そのような内密出産の問題点と、

出自を知る権利についてお届けします。

 

内密出産で考えられている問題点とは?

 

2021年の10月に熊本県熊本市にある

慈恵病院で内密出産を希望する女性が出産をしました。

 

記憶に残っているかもしれませんね。

 

独自の内密出産に取り組んでいた慈恵病院では

内密出産が行われたことを公表した例は、7例です。

 

しかし、

 

内密出産は女性を守る面がある一方で、

問題点が、大きく見ると3つあります。

 

①産まれてくる赤ちゃんの権利が害される恐れがある

→赤ちゃんは自分で選ぶことなく、

実の親との法律上の縁を切られる

ことになってしまう。

 

②赤ちゃんの出自の情報の保管方法が明確でない

→法律的な観点で見た際に、

赤ちゃんの「出自を知る権利」が

害されてしまう可能性がある。

 

③内密出産に関する法基盤がない

→母親の身元を分かっている病院側が

母親の名前を空欄のまま

出生届を提出すること自体が、

法律違反(刑法157条 公正証書原本不実記載罪)になる

 

この3点の問題点が挙げられます。

 

 

ちなみにですが、

外国でも特に内密出産の法整備が進んでいる国として

挙げられるのがドイツです。

 

ドイツでは、2009年には既に100箇所以上の

医療機関での匿名出産が可能となっており、

生まれた赤ちゃんは、「赤ちゃんポスト」に預けられ、

その後の保護者が決まる、という流れになっています。

 

そして、2014年にはドイツで「内密出産法」が施行されました。

 

 

この法律により、

内密出産をした16年間は実親は匿名扱いとなり、

反対に、

16歳に達した子どもに出自を知る権利を保障する、

 

ということが定められました。

 

内密出産のガイドライン!「出自を知る権利」とは?

 

続いて、内密出産のガイドラインについて見ていきましょう。

 

日本国内で内密出産に関する法律がないことは

先程もお伝えしましたが、

国は2022年の9月に内密出産に関する

医療機関自治体の対応を示した

ガイドラインを策定しました。

 

このガイドラインの内容としては、

 

・産まれてくる赤ちゃんが出自を知る権利に

対応できるよう、医療機関が母親の身元情報を管理すること

(永年保存が望ましい)

 

・生まれた赤ちゃんの戸籍は市区町村長の職権で作成できること

 

・内密出産=妊婦が身元の情報を医療機関の一部の者にのみ

明らかにしての出産

という定義を確立する、といった内容が盛り込まれました。

 

このような具体的な対応策が示された一方、

「内密出産を推奨するものではない」

という発表もされました。

 

次に、「出自を知る権利」について詳しく見ていきましょう。

 

出自を知る権利とは、

子どもの権利条約第7条に、

 

「児童はできる限りその父母を知り、

且つその父母によって養育される権利を有する」

 

と規定されているように、

子どもが自分の両親のルーツを

知ることができる権利のことです。

 

日本では、外国ほどこのような権利が浸透していません。

 

子どもの出自は隠しておいた方がよい、

という考え方がかなり残っている状態です。

 

AID(非配偶者人工授精)によって

生まれた子どもにとっても大きな問題でしょう。

 

なかなかはっきりとした法整備は

されていないというのが現状です。

 

内密出産について思うこと

私の個人的な意見としては、

 

少子化が社会問題となっている

・中絶が多い

という状況から、

 

個人的には育てていくのが難しくても

社会全体で育てていけたら良いのではないか、と思っています。

 

もちろん、いろんな問題があるでしょう。

 

でも、命を守れたら良いなと思うのです。

 

子どもが小さかった頃、

どちらの実家も遠くて頼れませんでした。

 

旦那はあさから晩まで忙しく、いわゆるワンオペ。

 

それでも、

大変だとあまり悲観せずに済んだのは

子どもたちのおかげです。

 

見知らぬ人でも、

子どもに声をかけてくれて

あたたかい気持ちをたくさん分けてくれたから。

 

もちろん。

 

そうではない人もいたけれど。

 

いろんな人がいる、というだけのことで。

 

ワンオペで頑張ってる気でいたけど、

振り返ってみると、

本当の”1人”では育てていけなかったと思います。

 

「産む」という選択が不安だったころ、

おばあちゃんが

「子どもは、自分の食べるものや着るもの、

ぜんぶ持って生まれてくるから大丈夫!」

と、励ましてくれました。

 

いろんな人の温かさに触れるたびに

その言葉を思い出したものです。

 

そんな環境が、

生まれてからではなく

生まれる前や生まれた時から

作られていけば良いのになと、思います。

 

きっと、

自分の親について知りたいと思う時もあるだろうから

その時は、出自を明かして親とも会えるような状況が作れたら...

 

と、思ってみたり。

 

まとめ

 

今回の記事では、

内密出産の定義やガイドライン

内密出産の問題点、

出自を知る権利について見てきました。

 

これからの法改正の動きによっては

国民全員でで考えていかなければならない問題に

発展する可能性も充分あります。

 

これを機に内密出産について

知識を深めていくのもいいかもしれません。